今日から「今日の詩」を掲載していこうと思います。（「今日の言葉」同様、たぶん続かない。）
* * *
一昨年のシウマイ
2003年の夏に友達からもらった
横浜みやげのシウマイ。
レトルトパックにされた
高そうなシウマイ。
自炊している私は
元気をつけたいときのために
貴重な動物性タンパク質源として
大切にしまっておいた。
賞味期限は2003年12月31日。
年末に食べようかと冗談ながら考えていた。
そして1年半。
2005年になってしまった。
引っ越ししたときから机の脇に置いてある
ふたの開いたままの段ボールの中には
まだあのシウマイがある。
最近ごはんと缶詰しか食べていない私は
人体解剖に疲れていて
風邪気味だった。
そして無性に肉が食べたくなった。
いつも何気に目に入っていたシウマイが
いつもと違って見えた。
私はシウマイの箱を開けて
レトルトパックを取り出した。
フライパンに油をひいた。
火にかけた。
シウマイを入れた。
油が飛び散った。
玉ねぎとホタテのいい香りがした。
焦げ目がついた。
火からおろした。
炊きたてのご飯を盛った。
箸でシウマイをつかんだ。
シウマイの中で油がまだぷつぷついっていた。
箸を通して振動が伝わってきた。
カリッ。
ジュワッ。
…うまい。
豚肉、ホタテ、玉ねぎ。
コクのある旨みがあった。
1年半の月日がシウマイの旨みを増させたかのようだった。
* * *
…なんじゃこりゃ。
