四角いパレット

katataka's blog

映画見た

東京での研修会の合間に映画を見にいってきました。
連日朝から夜19〜20時までびっちりな研修なので、
映画を見るのはレイトショーの時間帯です。
映画のタイトルは「こんな夜更けにバナナかよ うんぬん」です。
2006年か2007年あたりに初めて原作に出会い、
全身性身体障害者介助のボランティア団体(サークル)で活動するにあたっていろいろと心の支えになりました。
自分たちと同じように、日々の介助者探しに苦労したり、食事介助や泊まり介助の延々としたループに巻き込まれていったり、
同じように経験してきた世界がほかにもあったんだというのが、自分たちだけではないという心の支えになりました。
そして、障害者の自宅を中心にいろんな人が出入りし、
用もないのに夜遅くまでそこで試験勉強をしたり、無駄に年越しを過ごしたり、
そういった様子まで自分たちとの共通点を感じ親近感を抱いていました。
それにしても介助者シフト組みは本当に悪夢でした…
電話とメールを駆使してシフトを埋めるのですが、
テスト期間とか連休とか、その週のシフト担当自ら犠牲になることが多々ありました。
私の介助にまつわるあれこれは、2003年〜2009年3月までのfukushiタグでお読みくださいませ。
さて、映画を見ての感想ですが、
夜中に体位交換で起こされた時の、
覚醒しきらず意識もうろうとしながらも体位交換しまた意識を失うように介助者用ベッドに倒れ込む様子が、あのときのけだるい気分が、すごく懐かしかったです。
まあ、介助のことはいいとして。
小山内さんにびっくりしました。
私は小山内さんを写真などで拝見したことはほとんどなく、原作や札幌市内での障害者運動の資料を読んで知っていた程度だったのですが、
映画での姿を見て、これは小山内さんだとすぐにわかりました。
鹿野さんの当時を知る当事者である小山内さんがこの映画にご出演されているのを見て感慨深かったです。

私の現在の職場がいつの間にかロケ地にされていたことも驚きました。
私も「田中君」と同じように、医学生のときに全身性障害者の介助ボランティアに携わり、
あんなかわいい彼女ができたり、自主退学を考えたりしたことはありませんでしたが、
確かに介助サークル内で彼女ができたり、留年の危機に瀕したりしたことはあったような気がしますし、
何より現在の私が当時の田中君と同じ所属先であるという、なにかしらのご縁を感じざるを得ませんでした。
それをこうして東京の映画館でレイトショーとして見ているのは、近くて遠い、なんだか不思議な感じでした。

「みさきちゃん」の演技は、賛否両論があるのかもしれませんが、個人的には好きです。
自分がその場でその立場だったら、こう逡巡し、こう仕草し、こう切り出す、というのを素直に表出する点に私は好感を持っています。
そしてそれを引き出したのは大泉さんなのかもしれません。
大泉さんの「シカノ」は自然に見られました。
筋ジスの演技って、相当難しいと思うのですが、それを自然に見られるまでに昇華させるのは、並大抵の努力ではできないと思います。
いろんな演技指導や医学的指導を経て、自分の中に取り込み、見事にあの姿へ現せたのだと思います。
ストーリーは、物足りなく感じました。個人的な印象ですが。
期待しすぎなのかな。
障害者を知らない、ボランティアを知らない方々が映画を見たときには、新鮮に感じるのかもしれないけれど。
みなさんには(このブログの読み手がどれだけいらっしゃるかはわかりませんが)ぜひ映画をみていただき、
そして原作もぜひ手に取っていただければと思います。