四角いパレット

katataka's blog

G2010

AHAからGuidelines for CPR and ECCの2010年版ダイジェストが,
結構前に出されていたんですね〜!
全然知らなかった…汗
先ほどダイジェストを斜め読みしましたが,
もう,読みながら,手に汗握る展開にもう,足がつま先立ってガクガク,酒を持つ手もブルブル(アル中じゃない)
そんなわけで,今後の心肺蘇生のスタンダードとなるG2010について,個人的な感想を書いていきます。
あくまで個人的な話なので,まじめに読まないでください。
*ちなみに実際私は今酒飲んでるわけではありません。むしろ院内で当直中です。
『胸骨圧迫がさらに強調された!』
前回のG2005では,「push hard!」強く!速く!リカバリーも!としつこく言われていましたが,
それでも満足いかなかったのか,とうとう「まず押せ!」になってしまいました。
「人工呼吸とかは,もうやんなくてもいいから,とりあえず押せ!」と。(市民の場合)
そういった根拠となるスタディも日本を含め各地から出ていましたが,
ここまでかってくらい,正直その思い切りの良さに感心しました。
「Hands-Only」という言葉に「(TM)」なんてつけちゃうくらい,胸骨圧迫ラブ。
だから,あの大原則「ABC」もひっくり返ってしまいました。
「CAB」です。循環,気道確保,呼吸。
まるで,今まで「警察は110」と教えられていたのが,「これからは011ですよ」となるくらい,大変な変更です。
じゃあ札幌市外局番はどうするんだっていう疑問はさておき。
そこまで変更して,教育の場を大混乱に陥れることになったとしても,かまわない,と。
それに替わる利点がある,と見込んだわけです。
もし目の前で突然倒れた人を見かけたとき,
「相手はきれいなおネエちゃんじゃないし,キスなんてしたくない」
と言って何もせずただ救急車を待つ,なんて状況が,ABCをCABにするだけで減るのであればそれでいい,と。
そんな願いがこめられているようです。
そしてその延長で,小児も「CAB」になってしまいました。
これには小児分野からも結構反対意見が多かったようです。
成人と違って小児は呼吸性の心停止が多いわけですから,
原因を考えると,「まず呼吸を優先!」となるわけです。
でも,「何もできずにいる」という状況は,小児でも変わらなかったようです。
「子どもって,人工呼吸ってどうするんだ?口とか小さいし。あれ,心臓マッサージと何対何だっけ?」
何もできずにいるよりは,せめて胸だけ押してもらった方がよいのでは,との判断で,小児も「CAB」に統一されたようです。
あと,胸骨圧迫は1分間に100回,ということになっていましたが,
これからはそんな堅苦しいことは言わない。「とりあえず100回以上ならどんだけ速くてもいい!」
今まで「もしもしカメよ」で毎分100回を体にたたきこんでいましたが,
これからはメトロノームを手に「速すぎる!」と言われることもなくなるわけですね。(←心マ頑張りすぎ)
そして「見て,聞いて,感じて,4,5,6…」と,実は呼吸を真剣に聞いていないんじゃないかっていう行為も,なくなります。
これはちょっと残念。あの姿勢,かっこよくて好きだったのに。
ほかにも,細かい変更点や新出点がいろいろありました。
「そういわれると,そうだなあ」と感心するものが多かったです。
たとえば,し戦記呼吸の存在について。(このパソコン,変換がバカ)
私も最初見たとき,びっくりしました。「呼吸してるんじゃ?!」と。

…詳細は下記PDFファイルを参照してください。
http://www.heart.org/idc/groups/heart-public/@wcm/@ecc/documents/downloadable/ucm_317340.pdf