四角いパレット

katataka's blog

ヒトを描出する

ふと目に入った、私が高校生だったときの文芸集。
そのなかの小説の一つを読んだとき、私は今書いている原稿を破り捨てたくなりました。
才能はあるべき人がもつもの。
その小説は、本当にすごいっす。
本当に高校生が書いているのかっていうくらい、描出力がスゴいです。
荒削りな部分はあるけれど、あと何作品か書いたらもう、
人気が出るかどうかは別として、純文学の立派な作家になれるだろコレって感じです。

私も10年くらい打ち込んだらちゃんと書けるようにはなると思うんですけど、
10年かかるところが才能のなさ。
少なくともこの6年のブランクでは、描出力に関しては笑ってしまうくらいまったく成長していませんでした。
高校のときと同じように、相変わらずセリフと地文とのつなげかたに苦慮しています。
あと、私は人物描写が好きじゃないんですけど、
私がうなる小説では、ヒトを仕草から言葉まで丁寧に描写して、そのヒトを形作っていくことに楽しさを感じているようなんです。
この人はね、こんな癖があって、こんな反応とかする人で、こんな厄介なこと言うんだよ。みたいな。
そうやってありありと、生々しく、人を書いているんです。
一方で私は、登場人物のこと詳しく書いたら読者もバリエーション狭くて想像を広げられないかもなぁとか思って、
主人公のことなんか性格すら曖昧なまま統一感なく話を進めてしまっています。
最悪だなこりゃ。
もっと積極的に、「この人はね〜」とオバサンが噂話するくらいの感じに描出しないといけませんね。
......書き直そうかな。