四角いパレット

katataka's blog

この世の記憶

私の介助サークルに以前何度か見学に来ていた車いすの筑波大生がいます。
...「いました」ですかね。
宿舎からミーティング場所までの往復を、車いすを押しながら何度か一緒に歩きました。
出身は西日本で、小さい頃から入退院を繰り返していた、と本人は話していました。
障害の種類はよくわかりません。
でもまぁそれはどうでもいいっす。
野外バーベキューをしたときは、彼女が自分の車を運転してきてびっくりしました。
私より先に後輩が車を運転しやがってけしからん!(笑)
***
いつの間にか、最後に会ってから1年くらいたっていました。
昨夜後輩から、彼女が数日前に亡くなったと知らされました。
詳細はよくわかりませんが、最近はずっと実家に帰っていたようです。
なんかね、
私と同じくらいの歳で亡くなるっていうのは、いたたまれないです。
なんか、生きている間に体験とか思い出とか、思う存分作れたかな。
冥土に行くとき、両手いっぱいのお土産があるだろうか。
そんなことを思ってしまいます。
学校の講義でも、平均寿命30年とか、15年とか、6ヶ月とかの疾患を勉強していますが、
余命がそれまでだとわかったとき何が悲しいかって、
体験とか経験とか思い出とかたくさん持たせて冥土に送ってやることができないってことです。
たとえその個人の記憶は死とともに消失するとしても、
その個人が記憶を一度でももったかもたなかったかという事実は変わりません。
この世に生を受けたからには、この世の記憶を精一杯吸い込んでいってほしい。
そういう「事実」をただ望んでしまいます。