四角いパレット

katataka's blog

第7波のはじまり。依然遅々とした初療現場。

今日は特に当番日でもない普通の日当直をしているのですが、

朝から次々と、かかりつけや元かかりつけのかんじゃさんから、

発熱、咽頭痛、鼻汁、倦怠感などといった症状の主訴で

受診希望の電話連絡がかかってきています。

救急車からも何度も発熱患者さんの受け入れ依頼の電話がかかってきます。

ぜひ当院へご来院いただいて、状況確認と必要な検査を行い、

速やかにCOVID-19かどうかを診断し、

早く必要な治療が開始されるようにしたいところなのですが、

残念ながら、当院はそんなに充実した体制はとられていません。

今朝から救急外来では救急搬送された初診のCOVID-19陽性患者さんが

帰りの発熱対応タクシーの迎えを待つためすでに何時間も滞在しており、

ほかの発熱患者を診察できる場所が確保できない状況が続いています。

この陽性患者さんも判定上は入院が望ましいのですが、

当院も隔離ベッドが今朝からの臨時入院3人ですでに満床であり、

入院できるベッドがご用意できておりません。

当院での臨時入院は、PCR陰性が確認できるまで24時間前後の間、

隔離された個室に滞在してもらっており、

臨時入院は1日に一定数以上受け入れられないのです。

ではなぜ入院が必要となる患者さんが当院へ救急搬送されてきてしまったかというと、

救急車が1時間近く受け入れ先を探したものの市内の医療機関8件連続断られていたため、

当院は入院できませんがそれでもよければ、という条件の下で救急車受入を承諾したわけです。

当院も、COVID-19のPCR検査は翌日や翌々日にならないと結果が判明せず、

また経口治療薬も特に夜間休日は処方できる体制にありません。

とりあえず抗原定性検査で陽性と出たので、PCR結果は待たずに発生届を保健所へFAXしました。

当院はいまだにHER-SYSを導入しておらず、FAXで連絡するのですが、

それを保健所が確認し、保健所が本人用の健康管理システムMy HER-SYSのIDを発行したり

入院手続きの調整を開始したりするまでに時間がかかってしまいます。

こんな当院へ救急搬送されてきてしまったのが運の尽きというものです。

帰宅後なるべく早く保健所から適切な健康観察が開始されることを願いつつ、

心苦しく、いたたまれなく感じながらも、がんばって自宅へ帰っていただきます。

患者さんや救急車からの電話をお受けしながらもそれにお応えできない状況、

一方で、感染症相手がゆえとはいえ、初療が遅々として進まず、

検査結果待ち、保健所との調整待ち、初療室の消毒待ち、といった待ち時間が多い状況、

この、もっとうまくやれるはずなのに効率よくできていないがために

いろいろなところで「逼迫」などの形でしわ寄せが来ている、

この残念な感じ、やり場のない歯がゆい思いを、

2年以上たった今もどうして繰り返しているのでしょう。

(当院をはじめとする多くの医療機関が依然として

COVID-19を本腰を入れて診る気がないというのが主要因なのでしょうが…。)