終末期ではなく単に超高齢(90歳以上とか)だったり、
ADLが低い(寝たきり全介助でコミュニケーションもとれない)だったりといった理由のみで、
心停止時に蘇生行為(CPR)を行わないという方針(DNAR、厳密にいうとDNR)を、
入院時に入院契機の疾患の重症度にかかわらず本人や家族に提案するのは、
実臨床でよく見かけるかと思います。
こういったDN(A)Rは、
何かしらの疾患の終末期(または「人生の最終段階」)としての心停止に適用される本来のDNARの目的から外れているので、
別の議論が必要、と、2017年に日本集中治療医学会 倫理委員会からの報告で述べられているようですが(日集中医誌 2017; 24: 227-43、日集中医誌 2020; 27: 129-49)、
その後、議論した形跡が探し当てられません。
一方で、2017年に日本集中治療医学会 倫理委員会から出された勧告や各報告の記載では ACP の概念が頑なに扱われていないように思います(集中治療領域ですしね)。
だから、終末期以外におけるDN(A)R指示は、
surprise questionなどを契機に開始されたACPのプロセスの中で合意形成された事前指示(AD)(あるいはPOLST)みたいなものの一環として包括して合意形成してしまってもいいものでしょうか?
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ACP開始のタイミング、DN(A)Rを検討・提案するタイミング、
私の中でいろいろこんがらがってしまっていて、
少しずつ知識を確認しながら整理している最中なのですが、
なんか、こう、系統だって整理された資料があまりなくてですね、
かといって、具体的な例示もあまり見当たらなくてですね、
いろんな資料をあっちゃこっちゃ拾い読みしながら混乱しています。
なんとか自分なりに整理して形にしたいものだ。