四角いパレット

katataka's blog

リンゲル液は本当に高価なのか?

生理食塩水とリンゲル液との比較で、

効果はあまり変わらないのだから安価な生理食塩水でいいだろう、

という意見を見聞きすることがあるのですが、

昔やたらと安くされてしまっていた生理食塩液が徐々に適正な薬価に是正されてきた現在において、

リンゲル液は生理食塩水と比較して本当に高価なのでしょうか?

重炭酸リンゲル液は確かに高価です。

しかし、酢酸リンゲル液、乳酸リンゲル液とも、生理食塩水と同程度の薬価です。

  • ビカーボン輸液 500mL 255円
  • ソルラクト輸液 500mL 215円
  • ニソリ輸液 500mL 215円
  • ラクトリンゲル液”フソー” 500mL 215円
  • ヴィーンF輸液 500mL 189円
  • ソルアセトF輸液 500mL 189円
  • ソリューゲンF注 500mL 189円
  • 生理食塩液「ヒカリ」 500mL 212円
  • 生理食塩液「VTRS」 500mL 212円
  • 生理食塩液「NP」 500mL 212円
  • 生食液バッグ 500mL 「CMX」 212円
  • 生理食塩液バッグ「フソー」 500mL 212円
  • テルモ生食 500mL 193円
  • 生理食塩液「AY」 500mL 193円

酢酸リンゲル液<生理食塩液<乳酸リンゲル液 という構図(差は数円)。

いつの間にかこんな順になっていたんですね。

製造過程での費用の差なんてリンゲル液も生理食塩液も誤差の範囲ですから、

現代において最も多用される酢酸リンゲル液が一番安くなっているのは理にかなっていますね。

クリニカルクエスチョン

この2日半くらい、

深部静脈血栓症の検査前確率の推定に関するスコアリング(Wellsが有名)について、

いろんな文献を読み漁ってかき集めていたのですが、

私が求めているスコアリングって、

症状がきっかけで外来受診したような患者を対象としたもの(Wellsが適切)よりも、

症状はないんだけれども入院中とか担癌とか下肢近位部骨折の周術期とか、

すでに血栓リスクが非常に高くて、

D-dimer検査したところでどうせ高値だろうというような患者群に対して、

全例エコーによる画像診断をすべきなのか、

それとも画像検査前にもうワンクッション、層別化するスコアリングができないのか、

そういうクリニカルクエスチョンだということに、

今さら気づきました(やっと自分の思考が整理できた)。

いままでかき集めて整理した論文たちは、ちょっと方向が違うので全部破棄。

残念。

ワクチン接種で抗体ができにくい体質?

麻疹がはやっていますね。

麻疹もムンプスも、ワクチン接種による抗体陽転率は95%以上と言われているようですが、

私は接種しても抗体価は陽性ではあるものの、医療者に推奨されるほどの十分な値には至っていません。

  • 麻疹のワクチン接種前 5.8(EIA法)(2以上16未満はあと1回の接種が必要)
  • 麻疹のワクチン接種3か月後 10.6(EIA法)
  • ムンプスのワクチン接種前 2.4(EIA法)(2以上4未満はあと1回の接種が必要)
  • ムンプスのワクチン接種3か月後 3.5(EIA法)

実は、約20年前に、学生実習を始める前の段階で、

やはり抗体が少ないため、麻疹もムンプスも1回接種しているのですが、

その後就職し転勤するたびに測定する抗体値はいずれも「基準を満たさない陽性」の結果で経過していました。

接種後は、抗体が十分な値(基準を満たす陽性)になるまで追加接種する必要はないとされているので、

今回も接種をする必要はなかったのですが、

なんか自動的に接種の流れだったため接種してみたものの、やっぱり抗体値は十分上昇しませんでした。

ちなみに、MR混合で一緒に接種されてしまう風疹は抗体価が十分あり、

水痘は水疱瘡の既往もあるので抗体値も十分あります。

とりあえず私は、麻疹に暴露されないよう、

引き続き外出を控え細々と生活してまいります。

ついったらー

1か月くらい前からTwitterを見る時間が増えました。

なにを今さらという感じです。

SNSを眺める時間が長いのは、日常生活のいろいろなことに影響してあまり健全ではないので、

少し制限していきたいところです。

とりあえず、あまり泥沼にハマっていかないようセーブする意味で、

現在私がフォローしているのは2人だけです。

これまでコメントしたことなし。リツイートを2件だけ。

なのにフォロワーが4人もいる不思議。

コメントとか引用リツイートとかしたら終わりの始まりだなと思って、

今後も極力控えます。

DN(A)Rの位置づけ

終末期ではなく単に超高齢(90歳以上とか)だったり、

ADLが低い(寝たきり全介助でコミュニケーションもとれない)だったりといった理由のみで、

心停止時に蘇生行為(CPR)を行わないという方針(DNAR、厳密にいうとDNR)を、

入院時に入院契機の疾患の重症度にかかわらず本人や家族に提案するのは、

実臨床でよく見かけるかと思います。

こういったDN(A)Rは、

何かしらの疾患の終末期(または「人生の最終段階」)としての心停止に適用される本来のDNARの目的から外れているので、

別の議論が必要、と、2017年に日本集中治療医学会 倫理委員会からの報告で述べられているようですが(日集中医誌 2017; 24: 227-43、日集中医誌 2020; 27: 129-49)、

その後、議論した形跡が探し当てられません。

一方で、2017年に日本集中治療医学会 倫理委員会から出された勧告や各報告の記載では ACP の概念が頑なに扱われていないように思います(集中治療領域ですしね)。

だから、終末期以外におけるDN(A)R指示は、

surprise questionなどを契機に開始されたACPのプロセスの中で合意形成された事前指示(AD)(あるいはPOLST)みたいなものの一環として包括して合意形成してしまってもいいものでしょうか?

ACP開始のタイミング、DN(A)Rを検討・提案するタイミング、

私の中でいろいろこんがらがってしまっていて、

少しずつ知識を確認しながら整理している最中なのですが、

なんか、こう、系統だって整理された資料があまりなくてですね、

かといって、具体的な例示もあまり見当たらなくてですね、

いろんな資料をあっちゃこっちゃ拾い読みしながら混乱しています。

なんとか自分なりに整理して形にしたいものだ。

デュアルにしていた液晶ディスプレイ、下2/3が瀕死

2015年にふるさと納税で入手した21.5型液晶ディスプレイ。

ノートパソコンに接続してデュアルディスプレイとし、

パソコン作業が大変はかどるようになりました。

基礎研究や論文の調べものやスライド作成や論文執筆などとてもお世話になりました。

そうして8年近くの歳月と3回の異動を乗り越えてきたのですが、

今年4月の異動後しばらくしてから、画面の下2/3ほどがちらつくようになりました。

付けた最初は問題ないのですが、20分とか30分とか経過すると徐々にちらついてきます。

HDMIコードを脱着すると復活するのですが、数分後にはまたちらつきます。

そして徐々にちらつきの頻度や重症度が悪化して画面表示の読み取りが難しくなり、

現在は縦筋の入った画面表示内容がまったく読み取れない状況となってコード着脱でも改善しなくなりました。

ディスプレイの電源オンオフのときも同部位の表示がちょっと違う感じなので、

HDMIコードや端子関連の問題ではないと思われます。

異動のたび、ひもでぐるぐる巻きにして片手にぶら下げて自転車で運んだのが悪かったのでしょうか。

そういうわけで、現在はディスプレイ画面1.3枚の状態なのですが、

作業のやる気が大変そがれまして、一向に進捗しません。

今日も午前中にスライド作成頑張ろうと思っていたのに、

調べながらスライド作るというデュアルな作業に不便が生じて、

結局「調べる」(=youtubeでレクチャー動画を視聴する)だけで午前が終わってしまいました。

デュアルディスプレイがないともう何もできません。

ChatGPT

Google先生からほしい情報を効率的に収集するには、入力する検索ワードを工夫するスキルが有用でしたし、

そのスキルの有無によって知識や作業の格差が大きくなってしまっていると感じていました。

最近は優秀な対話型AIであるChatGPTがどの人にも自由に利用できるようになり、

そしてその利用価値はものすごい速さで広がっています。

思わぬ活用方法が次々と提案され、共有されています。

誰でも使ってみることができる本格的な汎用AIということで、

その活用方法は分類や回帰といった比較的単純な推測・予想にとどまらず、

グループ化、次元圧縮・簡素化、最適化、提案といったことにまで活用できるのがすごいです。

こうした情報処理をしてもらうため、そして期待以上の効果を得るために、

どのように入力するかというスキルがますます必要となり、

また、対話型AIをつかいこなせるかどうかのスキルによって格差もまた大きくなっていくように思います。

Google先生に対する私たちの検索スキルが、誰に教えられたわけでもなくGoogle先生を相手に繰り返し利用することで磨かれていったように、

対話型AIもまた、対話を繰り返してinputとoutputとを試行錯誤していくことで活用スキルが磨かれていくものなのでしょうか。

あるいは、ある程度以上の活用を求めるのであれば、それ専用の参考書のようなものが必須になってくるのでしょうか。

とにかく、情報関連におけるこの進化にしっかりついていかなくては!

と、twitterでGPT-4が話題になっているのを目にして私も遅ればせながらようやくOpenAIのアカウントを数日前に作成したところです。

今のところ何を質問してもエラーしか返ってきませんが。