四角いパレット

katataka's blog

COVID-19 国内感染段階に入って

最初に、私が感染制御や公衆衛生を専門としているわけではないことを

お断りしておきます。

各報道および政府からの発表をみていると、

いよいよ新型コロナウイルス肺炎の状況はこの1週間くらいで急展開しております。

国内感染の初期段階、とされておりますが、

屋形船からの感染経路の追跡をみると、

潜伏期間2週間以上、無症候者ありという現実が、

感染拡大を助長している状況がうかがえ、

すでに感染経路を追跡しきれない段階へ到達していることが示唆されます。

感染確定者の人数把握はしているものの、

不顕性感染や、感染確定に至っていない例がどの程度あるのかは、

実際に感染制御の前線に携わっていないと、なかなか把握しかねます。

クルーズ船での全例検査はなかなか興味深い事例と思いますが、

まったく症状がない検査陽性者が3割程度と聞いています。

おそらくちょっとした倦怠感なども有症状に含めているでしょうから、

発熱のない検査陽性者についてはもっと割合が大きいのではと思います。

実際、大半を占める軽症例は「普段より少し長引く感冒症状」といった病態像と伺っています。

まさに、インフルエンザウイルスと類似する特徴です。

すでに国内感染の段階にきている以上、今後の感染被害の程度は

国民一人一人の衛生概念にかかっているのではと思います。

接触感染、飛沫感染しにくい環境をいかに日ごろ整えているかが、

試されるときだと思います。

SNSで発信する医療関係者も多く、

正しい情報が広く伝わるよう、わかりやすい画像を作るなどする例もみられます。

少し気になるのが、やはり情報の根拠です。

発信者がどのような立場でこの感染症に携わっている者で、

自分の経験に基づく情報なのか、

医療関係者内の情報共有からまとめた情報なのか、

国内の感染症専門機関としての見解なのか、

論文化された情報のレビューなのか、

政府発表、海外当局、各報道機関からの、

どの時点(年月日)での情報をもとにした発信かを、

文章内、あるいは画像内に可能な範囲で明記するべきだなあと思います。

せっかくの医療者からの発信が、

古いものから新しいものまで、噂から統計まで混在する大量の情報に埋もれてしまいかねないです。

特にSNSで発信された情報は、転載・転用されることが多く、

場合によっては1か月前とか1年前とかの情報が、

閲覧数稼ぎが目的なのかわかりませんが、

あたかも今新たに問題となったかのように、

気を引くようなタイトルをつけられて出回ることも少なくありません。

それによって誤解を生じてしまっては、発信者の努力も報われません。

私の住む地域は、中国からの観光客が大変多い地域の一つです。

通勤途中では、観光客が出入りするホテルの前をいくつも通過し、歩道でもよくすれ違う毎日です。

潜伏期間と、現時点で分かっている感染拡大状況をみると、

今この街にも、感染者は結構な割合で潜在しているのかもなあと思います。

安全に使用できる治療薬が定まり、またワクチンが確立されるまでの期間は、

武器がなく心細いですが、

国民一人ひとりの力で乗り越えていきたいものです。

そして、政府、特に厚生労働省においては、

強いリーダーシップをもって

現状の発信と、今後想定される悪い方向も含めた可能性の開示をしていただきたいです。

患者が殺到することによる医療機関の破たんを恐れ過ぎているのではと思います。

不安をあおることを恐れ、必要な情報開示をしないでいると、

中国における初期対応と同様に、あとでより一層不安を高め不信感を招くことになりかねません。

治療薬が確立されていない以上、感染を心配する人が医療機関に殺到しても、

検査以上のことはなにもできず、逆に感染をもらう可能性という事実は、

それなりに共有された認識だと思います。

本日、検査対象者を拡大する予定と報道されています。

 これにより、入院治療を要する重症患者を拾い上げ、

適切な二次感染予防策を講じることができるようになり、

結果的に国内全体での重症化例減少、死亡率低下、

感染拡大抑制ができるのではと信じています。

国民は冷静に受診の要否を判断し、粛々と感染拡大抑制のための適切な公衆衛生対策を継続していきましょう。